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2015.01.21 Vol.26 New Moon / for 351 greenz people
新しくなったgreenz peopleのページ、ご覧いただけましたか?
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。
 
<vol.26>の目次

FEATURE / 山本哲さんに聞く「大学という学びの場の可能性」
SCENES / 七草粥、しごとバー、DIY姉妹...近ごろのグリーンズ
COMMUNITY / 的野裕子さんに聞く「これからのグリーンズに期待すること」
Q&A / フクヘンおのっちに質問「優先順位の付け方は?」
 
 

FEATURE

青山学院大学 社学連携研究センター特別研究員
山本哲さんに聞く「大学という学びの場のつくり方」

with Akira Yamamoto / interview by Yosh


こんにちは!greenz.jp編集長のYOSHです。
今回のお相手は、青山学院大学 社学連携研究センター特別研究員の山本哲さんです。

2008年4月に誕生した青山学院大学文化政策学部は、クリエイティブ業界を目指す高校生にとって、屈指の人気を誇る学部です。教授陣には、都市政策の専門家で、『クリエイティブ資本論』の翻訳者でもある井口典夫教授や、『生物と無生物のあいだ』で知られる福岡伸一さんなど、素敵な方々が名を連ねています。

また、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんが大学生と一緒にゲリラ広告を仕掛ける「広告ラボ」や、NHKが初めて開設したサテライトスタジオを活用して、その番組を大学生と一緒につくる「放送ラボ」など、実験的な試みも大きな話題となっています。そして、井口教授とともに、水面下でさまざまな動きを仕掛けているのが山本哲さんなのです。

もともと山本さんは尊敬する恩師のひとりで、2006年に26歳で独立してから、ことあるごとに相談に乗ってもらっていました。あれから約10年、僕が京都精華大学人文学部でソーシャルデザインを教えることになったこともあり、改めてじっくりお話を伺ってきました。

大学生にとって本当の学びとは何か。大学だからこそできることは何か。京都精華大学のカリキュラムづくりもいよいよ大詰めですが、みなさまにもそのヒントを分かち合えたらと思います。(YOSH)


 

山本哲さん
 
YOSH 今日はお忙しいところ、ありがとうございます。
 
山本さん こちらこそよろしくおねがいします。
 
YOSH 山本さんとは、2006年頃からのお付き合いですが、
お仕事をご一緒しただけでなく、
いろんな相談に乗ってもらったりもして、
僕にとって、恩人のひとりです。
 
山本さん いやいや、こちらこそ。
 
YOSH それで、その頃に関わっていたのが、
今日のテーマでもある青山学院大学のお仕事でした。
 
山本さん そうそう。「青山コミュニティラボ(ACL)」という
青山学院大学総合文化政策学部(SCCS)のウェブサイトを
つくってもらったね。
 
YOSH 青山学院アスタジオができる前でしたし、
カリキュラムもまだ練られていない頃で、
ちょっとずつ形になっていくプロセスを、
ブログ形式で発信する、という感じでしたね。

デザインはリニューアルされていますが、
箭内道彦さんと井口教授との対談も残っているみたいで、
何だか感慨深いです。
 
山本さん そういえば当時の兼松くんの写真もあるね。
若い(笑)
 
YOSH はい(笑)

いま思い出してみても、NHKとしては初めてとなる、
サテライトスタジオができるという話を
オフレコで聞かせていただいたり。

今までの大学運営では前例がないような
さまざまなことが水面下で動いていて、
ドキドキしたのを覚えています。
 
山本さん あれから6年だからね。
卒業生も社会に出始めているけれど、
当時のいろいろな試行錯誤が、
やっと形になってきた感じかな。
 
YOSH この一連の動きのキーパーソンとして、
山本さんが活動されているわけですが、
僕が京都精華大学で「ソーシャルデザインプログラム」を
担当させていただくにあたって、SCCSの実践型授業は、
とても参考になりそうだと思っていて。

今日はそのことをお聞きしたいと思っています。
 
山本さん そもそもですが、SCCSでは通常の講義の他に、
「ゼミ」と「ラボ」という2種類の実践型授業があります。

ゼミは他の大学と一緒で、先生の専門分野を
アカデミックに学び、調査研究した成果を発表するもの。
こちらは2年生の必修科目です。

一方のラボは選択科目で、ACLを拠点に、
地域のコミュニティや、企業、官公庁と連携して活動する、
インターンシップ型の授業。

こちらは青学独自のスタイルで、
「仕事の現場」に参加しながら、自分のアイデアを試したり、
いろんなスキルを磨けるのが特徴ですね。
 
YOSH どんなラボがあるんですか?
 
山本さん 僕と井口教授でやっている「クリエイティブ・ラボ」の他に、
箭内さんとの「広告ラボ:GANGSTAR PRODUCER AOYAMA」や、
映像ディレクター・大房潤一さんとの「放送ラボ」など、
全部で13のラボが展開しています。
 
YOSH クリエイティブ・ラボではどんなことを?
 
山本さん 「渋谷・青山・原宿エリアの先端文化をリードするラボ」
と謳っていますが、本当にさまざまなことをやっています。

それこそNHKと番組をつくったり、電通とCMをつくったり、
ホリプロの映画やタレントのプロモーションもすれば、
ホンダのマーケティング支援もする。

最近は東急電鉄と渋谷区からの要請で、
「渋谷芸術祭」の企画・運営を毎年やっています。
 
YOSH それくらい、このエリアには
良質なコンテンツが集積しているんですね。
まさに青山という立地だからできること。
 
山本さん 実際、井口教授は渋谷区神宮前生まれだし、
箭内さんも原宿に事務所を構えている。
そういう意味では、東京のど真ん中だけど、
地域に根づいた活動ができていると言えるかもしれない。

でもね、クリエイティブ・ラボは本当に自由な授業で、
何も準備せずに授業に行って、
その場で学生が主体となって進めていくことが
ほとんどなんです。
 
YOSH というと?
 
山本さん 基本的に僕がやっているのは、
いつものマーケティングの仕事を、
学生と一緒に取り組んでいるというシンプルなことです。

クライアントがいて、達成したいことがあり、
その実現方法を学生目線で考え、
企画書や調査計画書をつくっていく。
 
YOSH はい。
 
山本さん ここで肝心なのは、クライアントと学生、
双方にメリットをつくることです。

クライアントにとっては、ターゲットである若者たちを
より近い距離で知ることができる。

一方で学生は、普段は成果しか見えないさまざまな
仕事の流れや成立条件について、具体的なことを学んでいく。
その歩み寄りの場が教室というわけ。

だから企業の人たちには、
「事前に用意したデータは、いったん忘れてください」と
お願いしています。
 
YOSH 面白いですね。
リアルな対象が目の前にいるんだから、
まずはそれを眺めてほしいと。
 
山本さん とはいっても、当たり前ですが学生は素人なので、
思いが共有できるまでに、半年くらいかかることもありますね。
 
 

「広告ラボ」の様子
 
YOSH 企業にとっても、あまり経験のない
組み方だと思うのですが、反応はいかがですか?
例えば担当者の方のコミット具合とか。
 
山本さん 優先順位の付け方は、その企業によりますね。
とはいえ、僕たちが意識しているのは、
企業にとってのメリットを優先してほしい、ということ。
だから「授業という形にしなくても結構です」と伝えています。
 
YOSH それはどういう意味ですか?
 
山本さん 講義やゼミがあるからこそ、
ラボでは平等な学びを目指していないんです。

若者との距離感を課題に感じている企業が多いなかで、
ブレイクスルーとなるのは、たったひとりでも、
学生のなかにファンが生まれること。

強い思いを持った少人数の学生を中心に輪が生まれていって、
周りがその動きをしっかりとサポートしていけば、
結果的にいい成果を生み出せるんです。

そういうプロジェクトの作り方を、学生に伝えたいなと。
 
YOSH 強い思いというのは、きっと企業側にも問われますね。
 
山本さん そうそう。

もし学生がフワッとしていて手応えがなかったら、
それはクライアント側の責任でもあるといえます。
だから他の授業のように、課題を出して、
企業側は結果に対して感想を言う、という形では、
ラボはうまくいかないんですよね。

企業も学生も僕も、みんなフラットな仲間になって、
失敗したら一緒に悔しがって、成功したら一緒に分かち合う。

もちろん企業や企業内での担当者の立場によって、
コミットのレベルはいろいろあると思いますが、
だんだんと実績が出はじめたことで、
状況は変わってきているように思います。

最近は僕たちのためにプロジェクトチームを
つくってくれる企業も出てきました。
 
YOSH 最近はどんなことを?
 
山本さん 去年の秋には、ファッション誌『VOGUE JAPAN』の
ショッピング・イベント「FASHION'S NIGHT OUT」で、
instagramレポーターという仕事を担当しました。

『VOGUE JAPAN』を読んだことがない学生がほとんどでしたが、
リアルなユーザー目線で発信できたのはよかったですね。
業界の外にいるからこそ、内部のことを可視化できるし、
実はそれが学生の秘める価値なんです。
 
YOSH 「あのVOGUEが!」という感じがしますね。
 
山本さん 世界一のクオリティを誇る雑誌だからね。
ある程度の枠組みだけ決めて、コントロールを手放すというのは
すごいチャレンジだったと思いますが、
とても喜んでくれました。

他にも他の大学やファッション系の専門学校と手を組んで、
日本の粋を集めたファッションブランドを
本気で立ち上げよう、と動いています。
 
YOSH とはいえ、うまくいかないケースも
あると思うんですが、
山本さんとクライアントさんとの関係に影響はありませんか?
 
山本さん それは幸いにも大丈夫ですね。
可能性を感じてくれている分、
「では、次はこういうアプローチはどうでしょう」と、
建設的に話し合うことができています。
 
YOSH ここでは失敗も企業にとって
いいフィードバックになるんですね。
お話を伺っていると、高校を卒業し、社会人になる前の、
まっさらな「大学生と組む」という要件そのものに、
すごく意味があるような気がしてきました。
 
 

「FASHION'S NIGHT OUT」の様子
 
YOSH プロジェクトを一緒にやったことで、
そのまま就職する学生もいるとか。

いまの歪んだ就職活動をみていると、
そういう縁で入社する方が、よりリアルなのかもしれませんね。
 
山本さん 運と縁みたいなものは大事だよね。
でも、それが新たな青田買いに
留まってしまうのもよくないなあとも。

一緒に仕事をした企業だけがすべてではないし、
もっと広い世界もみてほしい。
 
YOSH いずれにせよ、それくらい社会に必要とされている
人材を育成できていると。
 
山本さん 単なる総合大学でもないし、専門学校でもない、
新しい学びのあり方を、きっと企業は求めていると思います。

フリーランスでやれる人というのは、
結局、自分でキャリアを切り拓いてきたわけです。
そういう暗黙知的な部分を、どれくらいプログラム化できるか。
日本の教育の問題を解決するには、それしかないと思うんだよね。
 
YOSH SCCSのラボでは、いい意味で、
遊びながら勘どころを学んでいる感じ。
 
山本さん それも青山という環境だからできることなので、
歴史のある京都ではまた違ったやり方になるだろうね。
それはすごく楽しみだし、ぜひ一緒に何かやろうよ。
 
YOSH こちらこそ、ぜひぜひ!

今日お話を伺っていて思ったのは、
「文化をマネジメントできる人を輩出する」という、
明確なビジョンがあるなかで、6年をかけて、
その理想像が見えてきているということでした。

僕の場合は人文系のスキルを社会のためにいかす
「人文系ソーシャルイノベーター」に可能性を感じているのですが、
週に一度の大人数向けの講義だけでなく、少人数で何ができるのか、
そんなことを意識していきたいと思いました。
 
山本さん 兼松くんは学生のお兄ちゃんみたいな感じでいいんだよ。
学生にとっては、やっぱり少人数で兼松くんとやりたがると思う。
そういう熱い子たちと一緒に揺れ動いていけば、
きっとうまくいくんじゃないかな。
 
YOSH ありがとうございます!
またじっくり考えて、相談させてください。
 


SCENES

ファーストシューズ、七草粥、しごとバー、DIY姉妹...
近ごろのグリーンズの風景

selected by Nao, Yosh, Ono and Shotaro

 

2015年1月4日(日) 鹿児島にて
子どもが生まれるだいぶ前に、ワークショップで自作したN.G.R.のファーストシューズ。
サイズが大きいのでずっとお飾りだったけど、最近小人が履いてくれて感動も一入◎(YOSH)
 

2015年1月7日(木) 東京にて
浅めに炊いた七草粥。塩ジャケ、新ごぼうと春菊をシンプルに炒めたもの。
つくり始めるまでが面倒だけど、つくり始めたらノリノリで◎(小野)
 

2015年1月9日(金) リトルトーキョーにて
今晩のしごとバー「ほしい未来はつくろうナイト」は甚だしく豪華!
グリーンズメンバー&正会員が集まり大盛況。写真におさまりきらない!笑(しょうたろう)
 

2015年1月18日(日) いすみにて
ついでに階段もパワーアップ! 踏み段の幅が倍増。
今後、妻も宅急便のおじさんも、転ぶことはないでしょう。
DIY姉妹は照明と釘の手渡しを手伝ってくれました。(菜央)
 


COMMUNITY

祝、greenzライター卒業!
的野裕子さんに聞く「これからのグリーンズに期待すること」

with Yuko Matono / interview by Kota


ライターの的野裕子さんとは、greenz.jpの黎明期からずっとご一緒してきました。いよいよこの春をもってgreenzライターを卒業し、今後は主に翻訳ライターとしての道を歩んでいかれます。

今回は卒業直前の的野さんに、これまでのgreenzライターとしての活動や、これからのグリーンズに期待することについて伺いました。(コウタ)


 

的野裕子さん
 
コウタ いま編集部では、『グリーンズ編集学校の教科書』を制作中で、
的野さんにもエッセイを書いていただきましたね。
 
的野さん はい。

そこにもグリーンズに参加したきっかけを書いたのですが、
greenzライターに応募したのは会社をやめた直後でした。

そのときに自分の働き方を突き詰めて、
フリーランスとしてライターを生業にすることに決めたんです。

最初に応募したときは不合格になってしまったんですが、
直後に翻訳ライターの募集があったときに再挑戦して、
仲間入りすることができました。
 
コウタ 的野さんが書いていた2009〜2011年ごろの記事は、
いま僕たちがクイック記事と呼んでいるものですよね。

僕がいま担当しているライターインターンプログラムの
原型になっています。
 
的野さん グリーンズで書き始めた最初の半年くらいは
翻訳とはいっても直訳や抄訳ではなく、
自分なりの視点を入れて日本人向けに
オリジナル記事をつくってました。

その後、YOSHが編集長になったときに方針が変わって、
じっくり時間をかけて書くというよりも、
スピード勝負で多くの記事を量産していましたね。
 
コウタ その頃はまだライターさんも少なく、
すぐに記事がショートしていたようで、大変だったみたいですね。
その頃に書かれた記事のなかで、印象深いものはありますか?
 
的野さん いっぱいあるのですが、
The Fun Theory」や「Improv Everywhere」には
人を動かすためのアイデアを学んだし、
もともとヨガが好きだったので、アシュタンガヨガの記事
印象に残っています。

あとは、「GOOD」や「WHOLE EARTH CATALOGUE」も
思い入れがありますね。
 
コウタ また、ここ最近インタビューに力を入れ始めてからは、
的野さんにもいろいろご担当いただきました。
 
的野さん インタビュー記事の中では、
岡本仁さんへの取材も印象に残っています。

岡本さんは、わたし自身ファンだったし、
いつか会ってみたいと思っていた方だったので、
インタビューができた時はとてもうれしかったです。
 
コウタ クイック記事からインタビュー記事へのシフトなど、
これまで、様々な変化を見てきたかと思いますが、
これからのグリーンズに期待することは何ですか?
 
的野さん グリーンズの「変わることを恐れない姿勢」は、
これからも忘れないでいてほしいなと思います。
 
コウタ というと?
 
的野さん グリーンズは他の編集部とくらべて、
編集者が変わることは少ないけれど、
時代に合わせて取り上げるテーマや運営体制を
変え続けてきましたよね。

それはグリーンズの一番の強みであり、
特徴的なところだと思うんです。
だからこそ、これからも変わり続けていてほしいですね。
 
コウタ ありがとうございます。
的野さんもgreenzライターを卒業されますが、
今後はどのような活動を考えていますか?
 
的野さん 今後は、翻訳に特化しようかなと思っています。
原点にかえっていくというより、
むしろ職業のバランスを考えなおす感じです。

請け負う仕事を翻訳だけにフォーカスし、
その仕事で生活を安定させながら、
自分が書きたいことを発信する時間を持ちたいんです。
 
コウタ ちなみに、その「自分が書きたいこと」とは?
 
的野さん この3〜4年、ずっと翻訳に挑戦したいと
思っている本があるんです。

いままで日々の生活に追われて
なかなか進んでいなかったので、
それにエネルギーを使っていきたいと思います。
 
コウタ それは楽しみですね!
では、最後に的野さんにとってグリーンズとは?
 
的野さん もしかしたら、あまり聞こえが良くないかもしれないけど
「アマチュアとプロの間」だと思います。
わたしもそうでしたが、ライターさんの中には
未経験で参加される方も多いと聞きます。

人生の岐路に立っている人が、
新しい道を探すきっかけとしてgreenzライターがある。
書かせてもらって、ライターとして自立していく場ですね。
 
コウタ なるほど。
 
的野さん グリーンズの面白さは、時代を先取りしているような
メディアとしての新しいあり方にも言えると思います。
大手出版社がスポンサーについているメディアでも
個人ブログでもない。

プロとアマの間の独特な立ち位置にいるのが
グリーンズだと思います。
 
コウタ 今日のお話を聞いて、最近コアメンバーになった僕自身、
たくさんの気づきがありました。
本当にありがとうございました!
 
 


Q&A

フクヘンおのっちに質問です。
「どうやって優先順位をつけていますか?」

with Kae Imura


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!

 

今回は、会員のいむらかえさんが質問します

Q. やりたいことや試したいアイデアがいろいろあるとき、
どのように優先順位付けや時間配分などを決めていますか?


『グリーンズのつくりかた』などを見ていると、グリーンズは、いろんなアイデアがぽんぽんでてくる組織なのだと感じます。打ち合わせレベルでもたくさんのアイデアの種がでてくるのではないかと思いますが、そのなかで、取り組むかどうか、また、かけるコスト(時間など)はどうやって決めているのでしょうか。

新年ということで気持ちも新たに、やりたいことや学びたいことが頭の中に浮かんでいます。どれもやればいいと思いながらも、かけられる時間やお金などを考え、自分と深く向き合って優先順位をつけられたらと感じています。そのヒントを教えてください。(いむら)

▼ ▼ ▼


フクヘンのおのっちが答えます

A. モチベーション、意義、効率性(連動性)です

いむらさん、ありがとうございます。時間やお金は限られていますし、個人にとっても、組織にとっても優先順位づけは常にとても大切な問いですね。

「いまやること」「そのうちやりたいこと」「やらないこと」が、それぞれある程度明確に線引きでき、うまく優先順位づけができていれば、それがあまり外側に伝わっていなかったとしても、内側ではフラストレーションも少ないように思います。

優先順位づけということに関してよく言われる話としては、「やるべきこと」「できること」「やりたいこと」でそれぞれ重なるように円を描いて、3つの円の重なりが大きなところを重点的にやること。

あるいは、「緊急性が高い/低い」を一方の軸、「重要性が高い/低い」をもう一方の軸にとって4つの象限をつくり、「緊急性が低く、重要性が高い」に「緊急性が高く、重要性が低い」からはもちろんのこと、「緊急性が高く、重要性が高い」からもリソースを持ってきて取り組むのが良いなどがありますよね。

これらの考え方、使い古された言葉ではありますが、実は結構バカにできないと思っていて、いつも心に留めるようにしています。

ただ前提としてそれらの要素を自覚できている必要がありますが、わりと線引きが曖昧で、抽象的だったりもするので、トライエラーを繰り返しながら、だんだんと精度を上げていく感じでしょうか。

それから、グリーンズの運営で意思決定するときは、こんなところを気をつけるようにしています。

1)モチベーション
関わるメンバーが、内発的動機づけによって突き動かされているかどうか。学び続け、高めたいと思えることがどうか。特に、言い出しっぺの動機づけの強さはとても重要。

2)意義
関わるメンバーの納得が得られるかどうか。グリーンズにしかできないことかどうか。利己的な目的だけでなく社会的なメッセージと共感性があるかどうか。

3)効率性(連動性)
これまでの経緯や取組を振り返り、次の企画が、足し算ではなく、掛け算になっているかどうか。時には、効率の悪いところをバッサリ切ることも大切。(たとえ、自分を含めて誰かの前言を撤回することになっても。)

1、2、3は大切にする順位そのままですね。

あとは、さまざまなことを実行するのが生身の人間である限り、「やりたいって言ったのにやらなかったり」「できることなのにどうしてもあと回しになっていたり」「取り組み自体が形骸化しているのにやめられなかったり」というのが常ですし、みんながいつも仕事最優先というわけにもいかないので、それを前提に、バランスを調整しています。

僕は左脳的な人間なのでどうしてもロジカルに考えがちです。また、個人も組織も、目の前のことに囚われてしまう傾向がありますが、「概ね良い方向に進んでいるのかどうか」という感覚も、ロジックと同じくらい大切です。

時には少し歩みを止めて、自分自身と、同じチームの仲間と、希望や不安について、じっくり振り返ってみてはいかがでしょうか?(僕たちも半年に1度ぐらいはそういう時間を持つようにしています!)


 



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<2月19日(木)>の予定です。

メールマガジン編集長:YOSH(グリーンズ編集長)
編集:鈴木康太(グリーンズ編集部)
発行:NPO法人グリーンズ
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配信停止については people@greenz.jp まで