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2015.11.15 Vol.36  / for 513 greenz people
みなさん、こんにちは!今号からメールマガジンの編集長を担当するスズキコウタです。
YOSH(兼松佳宏)さんとは違う企画も少しずつ展開していければと思うので、
今後ともご愛読よろしくお願いします!
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。
リトルトーキョーからの引っ越しの一コマ
 
<vol.36>の目次

FEATURE / 「つみき設計施工社」河野直さんインタビュー
SCENES / 事務所の引越し、ロンドン、DJパーティー...近ごろのグリーンズ
COMMUNITY / 編集アシスタントの並木香菜子さんの「10周年に向けて」
Q&A / プロデューサー・小野さんに質問「活動を続けるための仕組み」

 

FEATURE

「つみき設計施工社」河野直さんに聞く、
グリーンズ新オフィス改造計画!

with Nao Kono / interview by Nao + Shotaro


こんにちは! 編集長の鈴木菜央と、people事業部マネージャーの植原正太郎です。

今年の10月末、NPO法人グリーンズは2年半過ごした虎ノ門を後にして、
渋谷区神宮前に新しいオフィスを構えました。

現在、オフィスの内装を「エコオフィスDIY」している真っ最中!
新しいオフィスの内装やデザインや用途を「つみき設計施工社」の河野直さんに相談し、
内装工事に限らず、「どんなオフィスにしたいか?」を考えるワークショップも含めてお願いしています。

新しいオフィスはグリーンズのスタッフだけでなく、「グリーンズの学校」の教室や、
green drinks Tokyoなどの開催会場として、そしてgreenz peopleのみなさんが
気軽に遊びに来ることができる、開かれた場所にしていきたいところ。

そこで、今回の巻頭インタビューは河野さんをお迎えし、
グリーンズ新オフィス改造計画のことはもちろん、
自身が「つみき設計施工社」を立ち上げた経緯などを伺いました。
(菜央+正太郎)

 
「つみき設計施工社」の河野さん
 
菜央 今日は、よろしくお願いします。
 
河野さん こちらこそ、よろしくお願いします!  
greenz peopleのみなさま、こんにちは!
「つみき設計施工社」代表の河野直といいます。

「つみき設計施工社」はどういう会社かというと。
「参加型リノベーション」と言っているんですけど、
実際に住んでいる人とか家族、
地域の人、友人も一緒に
職人さんの指導のもとで
お家やお店をつくるサービスを
行っている会社です。
 
菜央 直ちゃんとは、去年に僕が
リノベーションスクールでセルフリノベーションコースの
講師をやらさせていただいたとき、
一緒に講師を担当していて、
そのときに初めてじっくり話したんですよね。

そして今年の5月に、
自宅のトレーラーハウスにデッキをつくることを考えていたときに、
これは直ちゃんと一緒にやりたいなと思って、
設計・ワークショップのデザイン、
実行・ファシリテーションまでお願いしました。

そして今回は、グリーンズの新オフィスも
お願いすることになったわけですが、
僕の自宅のデッキと同様に
大工さんが一括して作業を引き受けるのではなく、
依頼者や彼らの友人も巻き込んで
一緒につくるスタイルで進めていますよね。
 
河野さん 「つみき設計施工社」では、
常に”共につくる”ということをコンセプトに掲げていて、
それは今後もずっと変わらない理念なんです。

せっかくお家やお店をつくるという、
生涯に何度ととないイベントなので、
実際に住む人もつくる人も
同じ気持ちで同じ方向を向いて、
つくる喜びというのを共有できる
やり方をしたいなと思っています。
 
正太郎 その”共につくる”ために
参加者を巻き込むための空気感や、
場づくりで大切にしているというところはどんなことですか?
 
河野さん そのへんは、ある意味、
天然ボケ的にやっているところがあるといいますか(笑)

いわゆる場づくりのテクニックが
必要ないワークショップを
やらせてもらってるなと勝手に思ってて。

顔を突き合わせて一緒に手を動かせば、
勝手に仲良くなるし、
みなさん自発的に作業がやりたくてしょうがなくなる。
一緒につくるということが、
最強のノウハウになっていますね。

ワークショップをやる上で
大切にしていることがあるとしたら、
遠慮無くやってもらうということで。
「あ、こんなところまでやるんだ」
って思う人が多いようにしています。
 
正太郎 作業量ということですか?
 
河野さん ですね。
できるだけ遠慮無く仕事を振っちゃうというか。

楽しいのが第一なんだけど、
結構苦労したあとが楽しみになる、
つまりビールが美味しくなるじゃないですか!
 
正太郎 変にお客さん扱いしないということは
意識されていますか?
 
河野さん

菜央
ですね。厳しくしてますよ!(笑)

「これやるの?」
「こんな大事なところ、ウチらがやるんですか?」みたいな。
で、みんなが失敗するんだけど。

でもなんか、失敗できるって良いなって。
人の家で失敗して、自分の家の時はしっかり。(笑)
 



「こんな大事なところ、ウチらがやるんですか?」ということも任せる
 
河野さん 内容によるんですけど、
要はDIYで「自分だけでやってたらやらないだろう」
ということの挑戦を組み込めたらうれしいですよね。

絶対自分ではやらないだろうし、
「すげー大変なんですよ」
っていう作業も1回やっちゃえば、
結構上手になるんですよね。

DIYでできることは、
ずっとチャレンジできるようにと。
 
正太郎 そんなエッセンスが
グリーンズ新オフィスにも生かされてるわけですね。

実際に先日行われたワークショップでも、
参加者をお客さん扱いせずに無茶ぶりすることで、
かなり参加者が自発的に動いている様子でした。
 
河野さん 僕はちゃんと現場にいるので、
わからないことがあったら、
きちんと説明します。

でも、すでに作業にとりかかっている
参加者同士で教え合う場にすることは
意識していますね。
 
菜央 そんなグリーンズの新オフィスなんですが、
渋谷区神宮前のビルの1Fに構えていて、
広さが13坪くらいかな。

片面は全部ガラス張りの空間で、
わりと下地や壁も石膏ボードのままで
全然何も仕上がってないという空間を
工事してもらっていて。

先日は床張りのワークショップを行って、
無事に工事完了となりましたが、
そのときのことを説明してもらってもいいですか?
 
河野さん 床は元々、全面コンクリートだったんですけど。
玄関の近く2mほど残して、
残りのところはすべて
フローリングを貼っていますね。

そのフローリングの真ん中あたりに
床の下地を木の棒を打って、
その上にフローリングを貼っていって、
特別な貼り方で後から取り外しが
できるよう配慮しました。

なぜかというと、
断熱材として籾殻を入れることになっていて。
後からでも床を取り外して、
籾殻の様子を見たりだとか、
籾殻を増やしたりとかできるように、
床をつくっています。
 
菜央 その籾殻なんですけど、
実はここに持ってくる前に虫がわきまして…
虫があっちこっち歩いてるような
情景にならなくてよかった…
まあ、これも実験の結果ということで。

床はある部分はヘリンボン柄で貼ってあって、
あるところは横に貼ってあって、
あるところは縦に貼ってあったりして。

すべてコンクリートだったことを考えると、
おそろしく快適になりました。
もう、居心地いいよね。
 
正太郎 あったかいですね。
 
菜央 だよね。実は今回、
隣の部屋との間に窓を開けたんだよね。
なんか奥の部屋が
お仕置き部屋みたいだったんで(笑)、
ひとつの空間につなげようというのと、
向こうからドリンクをサーブしたり、
バーっぽく使えたら面白いよねっていう
アイデアが出ました。

第1期の工期に関しては、
基本的にこれで終わり。
次はみんなで使い方とアイデアを募集しながら、
来年の3月くらいまでかけて、
何回かにわけて工事をしていこうと考えています。
 
河野さん はい。「土間をどうする」とか
「どんな壁にする?」とか、
「仕事がはかどるオフィスに必要なものは?」
というような、
使い方を考えるクエスチョンを
アイデアとして貼っていけるものを用意したので。

仮称をグリーンズキャンパスという名前にして、
その名前もみんなにアイデアを出してもらおうと。
 
菜央 そういうことで、グリーンズメンバーというより、
ライターさんだとか、
greenz peopleの人たちだとか、いろんな人たちが
ここに集まってくるような感じにしていきたいですね。
みんなでつくっていきましょう、ということ。

個人的に次の工期では、
虎ノ門のリトルトーキョーから持ってきた
扉や照明が活躍できるといいなと思っています。
 
河野さん うん、きっと何かに再利用できると思いますよ。
 
菜央 新オフィスの床もリトルトーキョーの床だったりして。
なるべく再利用してるんです。

今回は、「つみき設計施工社」
じゃなきゃできなかった工事なので。

今、グリーンズで記事で
いろんな人たちを記事にしているけど、
その人たちのゆかりのいろんな物があったり使われたり、
徐々にオフィスを1回完成させて、
そこから手をつけないんじゃなくて、
常に余白があって、
どんどんつくりかえられる場になるといいかな。

3ヶ月に1回くると
「なんか違うぞ」みたいな感じだったらいいですね。
 

新オフィスの壁には、ワークショップに参加した人びとからのアイデアがたくさん!
 
菜央 ところで「つみき設計施工社」の
”共につくる”というアイデアって、
あまり建築設計業界では
一般的ではなかったと思うんですけど、
その方向に舵をきろうと思ったきっかけを教えてください。
 
河野さん 僕が出身した建築学科では、
架空の設計を6年間やり続ける
という学びを続けるんですけど、
この話を建築以外の学生に話をしたときに、
あまり理解してもらえないというところから、
問題意識が始まっているかもしれないですね。

大学院を卒業し、就職しようと思って
建築家の先生のところに行ったものの、
そこでどうしても建物が建っていたり直されていく、
ドラマチックな躍動感みたいなものから
すごく遠いところにいるような気持ちになってしまって。
 
菜央 うんうん。
 
河野さん なんでそんなことを思っていたかというと、
大学1年生の時に、
アルバイトで京都の古い町家を直す現場に、
大工さんの手元として
参加させていただいてた期間があって。

その頃に僕は大工さんに教えてもらいながら、
町家を直したりだとか、
壁を塗ったりというようなことを
学ぶことができたんですね。

当時は嫌で嫌でしょうがなかったんですけど、
実際に大学院終わって、なんかこう違うなと思って、
仕事を全部辞めて、
肩書きが何もなくなってしまったときに、
「じゃあ実際に何がやりたいのだろう」と思ったら、
建物に関わる全ての人で、
同じ喜びを分かち合って、
一緒につくっていくというところにたどり着きました。
 
菜央 そうだったんですね。
とはいえ、その”共につくる”ということが
人びとに理解してもらい伝わるまでは、
なかなか大変だったと聞きました。
 
河野さん 難しかったですね。
僕は大学院を卒業してすぐに
非常に技術的な分野で起業したので、
現場で持っているべきノウハウや技術が足りていなくて、
一緒に創業した大工さんにおんぶに抱っこ状態で、
大工さんに怒られることもあったし、
工期が延びてしまったり。

なかなかプロセスの欠陥を
改善していくのに苦労しました。
 
菜央 うーん、そうかあ。
でも最初から、大工さんと一緒につくっていってるんですね?
 
河野さん そうですね。その大工さんって、
実は大学1年生のときに教えてもらっていた大工さんで。
「共につくる」ことを考えたときに
「相談してみよう」と思って。

「あの、こういうことやりたいんですけど、
よかったら一緒にやりませんか?」と電話したら、
「今、千葉に住んでいるからぜひ!」と。

彼の協力も取り付けたので、
千葉県市川市を拠点に活動を始めることになりました。
 
菜央 2012年に、ETIC.の連載企画の中で
「つみき設計施工社」を取材させていただきましたが、
その時はどんな時期でしたか?
 
河野さん 「つみき設計施工社」を始めて
2年弱くらい経ったときかな。
その頃は3件くらい実績があった状態ですね。

住宅とか店舗とか幼稚園の実績があって、
全部記事の中に出てきています。
 
地域の人とともに外装を仕上げた施設「こころとことばの教室」[greenz.jp 記事より]
 
菜央 共につくるという流れが、
世の中にも広がり始めたと
実感したのはいつ頃でしたか?
 
河野さん ここ2年くらいですかね。
僕らの事業が軌道に乗ったということではなく、
僕らが持っているノウハウや体制と、
そのニーズがようやくマッチしてきたかな
という感覚を得たのが、2年前ぐらいでした。

この2年間で、DIYとか自分で
暮らしをつくっていこうというのは感じていて、
そういう意識を持っている人と一緒に
いろいろとやらせてもらうという
流れができてるなと思います。
 
菜央 あと、夫婦で僕の自宅のデッキをお願いしたときも、
家族で参加してくれたりとか。
一緒に起業している仲間も、
一緒に学校に行っていたメンバーだったりして。
すごい近いところでやっている感じで、
それもすごい素敵だなと。

周りにいる家族と仲間たちと仕事を
ひとつずつつくっていって、
でもそれがダイナミックな社会の変化ともリンクしていて、
それがなんか面白いなーと思って見ているんですけど。
どうですか?
 
河野さん たしかに、仕事と僕らの暮らしは
相当切り離せない存在になっていますね。

今は僕らだけ家族で住むと
ちょっとサイズオーバーなマンションを、
友だちから借りて
自宅兼事務所にしているんですけど、
本当に家族と仕事の2つが重なる部分がものすごく大きくて。

ちなみに、そのマンションの余っている空き部屋を、
一緒にやっているメンバーが
アトリエとしてシェアしていて、
本格的に家と仕事がダダかぶりしているという状況ですね。
 
菜央 ちなみに、仕事と暮らしを分けたいなぁ
と思う瞬間ってあるんですか?
 
河野さん 実は、あんまりなくて。
だけど、具体的な話ですが、
休みを取るのを忘れちゃうことがあって。
そして気づいたら、体がボロボロになっている(笑)
これは、会社を持続させるためには
やっちゃだめだなってよく反省していますね。

だから、ちょっと長い休みを取って、
どこか遠くに行ったりっていうのは
意識的にもっとやらなきゃなと思っていますね。
 

新事務所「greenz CANVAS(仮)」に、ぜひ遊びに来てください!
 
菜央 最後に「共につくる」というコミュニティビルドが、
今すごく広がっていってると思うんですけど、
その向こう側にある未来や世界ってどんなものなんですかね? 

直ちゃんがどうしていきたいのかとか、
世の中がどうなっていったら
良いと思っているのか聞きたいです。
 
河野さん 一緒につくるとか、共につくるとか。
コミュニティビルドを通して感じるうれしいことは、
職業の名前やポジションや世代を乗り越え、
共につくることを通して
お互いが喜びを感じて
壁がなくなっていくことかなと思っています。

僕はまず、住む人とつくる人と計画する人、
という隔たりをなくしたいなと思っています。
多分これは建築だけでなく暮らし全体に言えることで。

一緒に、より魅力的な暮らしをつくることを通して、
いろんな世界の隔たりが
なくなっていけばいいなと思っています。
 
菜央 今は、とてつもなく分業化された社会ですもんね。
 
河野さん 「自分の手で自分の暮らしをつくるって素敵なことだな」
というのが確かに広がってて。

でも自分だけでDIYをするのではなくて、
助けあったり、教えあったりすることで
自然とつながっていく世界が広がっていってほしいです。
 
菜央 まさにグリーンズがつくりたい社会と
すごく共通点がある気がします!
 
正太郎 今回のオフィスは、つくる最中も、
共につくるということで進んでますし、
多分できた後も、さっき菜央さんが言ったように
「3ヶ月に1回来たら変わっている」とか、
greenz peopleの方々が
新しいチャレンジをする場にしたいですね。
 
菜央 そうだね!
 
正太郎 今のgreenz.jpが寄付で運営されているように、
第一工期が終わったらオフィス自体も
greenz peopleのみなさんからの
アイデアをいただきながらつくりたいと思うので、
ぜひ気軽に遊びに来てくださいー!
 
河野さん 僕もこの1ヶ月間で、
そのキャンバスがアイデアで
彩られていくイメージを持っていて。

たくさんのアイデアがくればいいなと思っているので、
ぜひその場に行っていただきたいと思います。
 
菜央 グリーンズの
「ほしい未来は、つくろう」ということを
リアル世界でやっているのが直ちゃんで、「つみき設計施工社」。
それがなんかこうやって、
一緒になんかできたというのは面白いなー!

今日は、ありがとうございました。



SCENES

事務所の引越し、ロンドン、DJパーティー...近ごろのグリーンズ

selected by Nao, Yosh, Ono, Shotaro and Kota

 

2015年11月3日(火) 神宮前の新オフィスにて
#グリーンズエコオフィスDIY 3日目スタート!本日は床の籾殻断熱ワークショップ◎
まずはつみきの直さんから本日のオリエン。(正太郎)
 

2015年11月4日(水) イギリスにて
マンガなうなう(菜央)
 

2015年11月5日(木) 神宮前の新オフィスにて
グリーンズ新オフィスで編集学校!(YOSH)
 

2015年11月7日(土) 自宅にて
やっぱり料理は楽しい。楽しい楽しい。
ほうぼうのアクアパッツァ、肉じゃがならぬ、長ネギ、マッシュルームの入った洋風タコじゃが、
カボチャの定番ポタージュ、ジンジャーシロップもお手製で。
スペインのカヴァと一緒に。うまうまー。(小野)
 

2015年11月7日(土) 渋谷のカフェバーにて
12月12日(土)に開催するDJパーティーに向けて会場側と打ち合わせ完了!
グリーンズからも正太郎くんやライターの鈴木絵美里さん、岡田弘太郎くん、
さらにもしかしたら・・・Nさんも!?
深夜じゃない遊びに来やすい時間帯なので、peopleのみなさんもぜひ! [イベント詳細](コウタ)


 
 


COMMUNITY

greenz.jp 編集アシスタントの並木香菜子さんに聞く、 
グリーンズ10周年に向けて取り組んでいること 

with Kanako Namiki / interview by Kota


2006年に創刊した「greenz.jp」は、来年、10周年を迎えます!
今はその節目に向けて、新しいグリーンズのあり方を模索しているところです。
そこで、このcommunityコーナーでは、NPO法人グリーンズの活動に
さまざまな形で関わっているコアメンバーやアシスタントたちに、
それぞれが10周年に向けて取り組んでいることを伺っています。

第4回は、greenz.jpの日々の運営をまわしている
編集アシスタントの並木香菜子さん(通称なみっきー)。
なみっきーが編集アシスタントとして、現在目指していることって?(コウタ)

 

greenz.jp 編集アシスタントの並木香菜子さん
 
コウタ なみっきーは、今年の3月に
編集アシスタントとして加わってくれたわけですが、
インターンを経験せずに編集部スタッフになった珍しい例ですよね。
まずは、そもそもグリーンズに入った理由を教えてください。 
 
なみっきー  もともと、編集の仕事に興味があって、
LGBTの方の個人取材をすることを
マイプロにしていたんです。

そんななかで、実際に取材したことを
文章にまとめることに苦労するケースが多くて、
編集を学びたいなと思っていました。 

でも一方で、自分自身が書き手になることは
あまり考えていなくて、
「書き手のサポーターになりたい!」と思って、
編集アシスタントに応募したんです。 
 
コウタ 実際にグリーンズのスタッフになってみて、
中から見た編集集団=greenz.jp編集部は
どのように見えていますか? 
 
なみっきー  入社したその日に、編集長のYOSHさんに
「グリーンズってどんな印象?」
って聞かれたんですけど、
思ったより会社っぽくて安心しました。 
 
コウタ 会社っぽい?(笑) というと? 
 
なみっきー  会議をするときも、前もって
各々が準備したアジェンダがあって、
それにそって話すこととか。
 
コウタ なるほど。では、もともとどんなイメージで
グリーンズを見てたんですか? 
 
なみっきー  NPOって、お金にとらわれずに
”いいひと”が”いいこと”をしてるイメージでした。
カバさん・キリンさんがのんびり草を食べているような(笑) 
 
コウタ (笑) でも実際は、少なくともぼくらは違いますよね。 
 
なみっきー  ですね。熊もいるし、ムキムキもいるし(笑)
すごく真剣に事業を考えていて意外でした。
 
コウタ ここで「編集アシスタント」という、
なみっきーの役割について教えてください。 
 
なみっきー  編集アシスタントの仕事は、
「編集部に携わる人びとが、
いかにスムーズに仕事できるかを整える」
ことです。

だから上司である編集長や
編集デスクの指示することだけでなく、
先回りして「これをやったら編集部が楽になるかな」とか、
「ライターさんのモチベーションが上がるかな」とかを
考えて動くのが仕事ですね。 
 
コウタ グリーンズは、greenz people会員を
コミュニティ化しているように、
ライターもコミュニティ化しているので、
そのコミュニティをあたためて、
彼らのモチベーションをあげるのは
編集アシスタントの大事な役割ですよね。 
 
なみっきー  10月17日・18日には、コウタさんが主導になって、
ライターさんと今後のグリーンズを考える「ライター合宿」
を開催したじゃないですか。

ライターと編集部のメンバーが、
メディアの方向性から自分たちのキャリアまで、
いろいろな議題について話して連帯感を高めましたが、
あれは必要な場だなと思ったんです。 
 
コウタ ぼくはすっごく大変だったけど、
そう言ってもらえるとうれしいです。 
 
なみっきー  だから今後、あのような機会を増やしていくことが、
さらにおもしろいgreenz.jpを
つくっていくのではないかと思っています。
それが、10周年に向けて私が取り組めることですかね。 
 
コウタ ズバリですね! いい感じだなあ。
一方で、YOSHさんの編集学校に通って、
なみっきー自身も「書き手」というプレイヤーに
なっていく予感があって。

書き手として活動していくことも、
10周年に向けてのなみっきーの挑戦ですね。 
 
なみっきー  編集学校に通って、どんどん書きたいこと、
インタビューしたい人が湧き出てきたんです! 

その挑戦第一弾として、
映画監督の紀里谷和明さんに
インタビューすることが決まりました。

私にとって紀里谷さんは、
本当に憧れの人なので緊張しますが、
すごくワクワクもしています。 

(註)無事に記事は11/13(金)に公開されました!
途中で諦めたとしても、あなたの価値は何一つとして変わらない。
紀里谷和明さんに聞く、自分を生きるということ
http://greenz.jp/2015/11/13/kiriya_kazuaki/

 
コウタ 全力で応援します!
そしてぼくは、紀里谷和明さんへの
インタビュー記事挑戦の後には、
なみっきー発案の連載とかも
生まれたらうれしいなと思ってます。 
 
なみっきー  greenz.jpのリニューアルに向けて、
今はこれまでにつくってきた”型”を壊している時期です。
私はgreenz.jpというメディアを意識して、
取り上げるトピックにリミッターをかけてしまっていましたが、
それを取り払うことができる時期だと考えています。 

今後は、自分が特に興味を持っている
ファッションや恋愛やLGBTについて提案したいですね。
 
コウタ 愛の形の多様性とか、
恋愛が仕事やクリエイティビティに与える影響について
模索する連載とかいいかもしれませんね。

では、最後に、なみっきーから
greenz people会員のみなさんにメッセージを。 
 
なみっきー  私は、原宿にオープンする新しい編集部のオフィスに、
すごく力を入れたんですが、
そこにどんどん遊びに来てほしいです。

みなさんに来ていただけるように、
いろいろな企画を考えているところなので。 
 
コウタ

なみっきー









コウタ

なみっきー




コウタ
たとえば?
 
以前greenz.jpでも取り上げた「Detroit Soup」のように、
会員さん・ライターさん・エディターさんが
揃ったイベントを開催して、
ライターさんがプレゼンする企画に
その場でファンディングできるようなことを考えているんです。

そうすると、より会員のみなさんが
グリーンズに投資したお金が、
何に使われたかわかるようにもなります。 

そのイベントで、企画連載が誕生した興奮するなあ。 

NPO法人グリーンズのコアメンバーが
編集部の拠点としてオフィスをつかうのでなく、
グリーンズに関わるみんなのための場所に
なっていくといいなと思います。 

今後のなみっきーの活躍に大期待してます。
ありがとうございました! 
 






Q&A

プロデューサーの小野さんに質問です。
「活動が続けられるようにまわる仕組みって?」

with Yuri Yamato


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!

 

今回は、会員のやまとゆりさんが質問します

Q. 大儲けしなくてもいいけど、活動が続けられるようにまわる仕組みって?

やりたいことがある。けど、お金が儲けられないから出来ないとか、踏みとどまる人が多くいると思います。大儲けしなくてもいいけど、赤字ではなく、活動が続けられるようにまわる仕組みに悩む人が多い中で、小野さんはグリーンズの中でその仕組みを考えてきたんですか?
発想の転換の基とか、日々参考にしている他の国の取り組みとか、いま注目している動きがあれば教えて欲しいです!(やまとさん)

▼ ▼ ▼


プロデューサーの小野が答えます

A. 情報収集をし、プロトタイプをつくり、フィードバックをもらう。
それを繰り返して感覚を掴んでいったら、やがてビジネスとして回してみる。


おっと! またもやお金の話題ですね。
本当に本当に難しいテーマなんだな、ということを感じます。

ただまず思うのは、僕は菜央さんやYOSHさんのようにうまく記事をつくることができないと思っていて、つまり苦手なことを自分ができるようになるより、社会的大義の旗を立てて、できる仲間を集める方がずっとスムーズだろうという前提は揺るがないということです。

そんな風にして、これまでのカルチャーとは少し違う仲間を集められるどうかという軸は、自分がやろうとすることの社会的大義や意義がどれぐらいあるのか、どれぐらい伝わるのか、もう既に活動実績があるのであればどれぐらいのインパクトが出せているのかを測る、良い判断材料になりますよね。

と言って、話の腰を折ってしまっては元も子もないので、僕がやっていることを少しご紹介すると、どんなテーマでも初めにやるのは、当然のことながら情報収集です。

特に僕は、ビジネスモデルおたくです。

とはいえ、『ビジネスモデル全史』なる本がベストセラーになるぐらいですから、セクターを超え、社会的なテーマなのかもしれませんね。

そして、単にお金の流れだけはなく、どこで価値をつくり、どこで換金(マネタイズ)していて、それをどう継続し得るものにしているのかについての情報を集めます。

ビジネスモデルと言うと、「稼ぎ方」だけにフォーカスがいってしまうのですが、僕はもう少し広い視野でとらえます。

さらに、情報収集を、ただネットや本だけでしていても深まりませんから、そこで得た学びや仮説を、自分の活動やプロジェクトに落とし込んでみて、プロトタイプをつくり、グリーンズのメンバーや、社外でも同じようなテーマでずっと先を走っている先輩プレーヤー、経営者にフィードバックをもらうようにしています。

そこである程度うまくいく感覚がつかめたら、すべてが完璧なかたちでなくても、ビジネスを少し回し始めてみます。

いかがでしょうか。
おそらく、特に特殊な発想法や情報取集を行っているわけではないと思います。

気をつけているのは、単に情報収集だけで終わりにするのではなく、仮説やプロトタイプをつくって、フィードバックをいただくところまでを行ってはじめて、思考(試行)のワンサイクルを回したことになるということ。そのサイクルを何度も実行するなかで、だんだんと僕があらかじめチェックすべきポイントが見えてきた、というのが実際のところです。

そのチェックポイントを教えてくれよ、ということかもしれませんね。

ただ、これはスポーツに似たところがあって、たとえ、プロが気をつけていることを文面だけで見知ったとしても、本当の意味を理解したり、自分ができるようになるまでには、もちろんかなりの開きがありますよね。

これがビジネスの話になると、とたんに知っていればできる、あるいは、できないのは知らないからだ、という前提での会話になることが比較的多いので、本当にそうなのだろうかと疑問に思うことが多々あります。

つまりは、発想法や情報量で言えば、既に世の中にある、しかも少し調べればごくごく一般的に知られているのだとわかるもので十分に試行可能だと思うのと同時に、本当の課題は、やってみてなくない?それ、ということなんじゃないのかな、ということです。

このあたり、「小商い」ということがちょっとしたブームになる背景ですよね、きっと。ということで、最後に少しだけ追加の講釈を。

お金の使い方は、経済的合理性だけでは決まっていないよ、という視点、事実があります。これは結構、見落としがちなポイントだと思います。

いい活動や商品をリリースしているし、価格も相場から見て決して競争力がないわけじゃないのに、なんで儲からないんだろう、、というやつですね。

習慣、文化、そして必要性や合理性。さまざまな要素のかけ算で決まっていくものですし、生活者、発注者になったときは、その総計で意思決定していると思うのです、実際は。

お金を巡る議論を、社会学者のように見てみると、社会は少し違って見えるかもしれません。

また、追加の質問をお待ちしています。
 



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<12月中旬>の予定です。

メールマガジン編集長:スズキコウタ(グリーンズ編集部デスク)
編集:並木香菜子(グリーンズ編集部)、植原正太郎(people事業部マネージャー)
編集協力:伊藤優汰(ライターインターン)
発行:NPO法人グリーンズ

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