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2013.10.05 Vol.10 New Moon / for 130 greenz people
今日から理事3人で2泊3日のグリーンズ合宿 in 鹿児島です。
今回も greenz people のみなさまに、「グリーンズのつくり方」をお届けします。


リトルトーキョーのクラウドファンドは2,219,000円も集まりました、感謝!


<vol.10>の目次

FEATURE / トム・ヴィンセントさんと話す「greenz global の今後」
LIST / 紫牟田伸子さんが選ぶ「エッ!あっ!ハッ!となる映像」
COMMUNITY / 塚越暁さんに聞く「グリーンズ的プロジェクトの進め方」
Q&A / 編集長YOSHに質問です「個人として挑戦したいことは?」

 

FEATURE

祝!復活!の「PingMag」編集長トム・ヴィンセントさんに
「greenz global」の今後について相談しました

with Tom Vincent / interview by YOSH


今年6月に立ち上がったばかりのグリーンズの英語版「greenz global」では、
週に1本のペースで、日本発のグッドアイデアを世界に発信しています。
個人的にも、今後のグリーンズの可能性を広げる鍵のひとつとして、
とても期待しているコンテンツです。

現在は、global編集長の鈴木くん、リーダーの安藤くんを中心に、
運営体制を整え始めているところですが、
僕自身英語がそれほど得意ではないこともあり、
さまざまな壁にぶつかりながら、一歩ずつ歩みを進めている段階。

そこで今回は、日本のデザインとものづくりについてバイリンガルで発信している
ウェブマガジン「PingMag」の編集長トム・ヴィンセントさんに、
greenz globalの今後について、相談に乗っていただきました。 (YOSH)




PingMag編集長のトム・ヴィンセントさん


YOSH 今日はお忙しいところ、ありがとうございます!
 
トムさん こちらこそよろしくおねがいします。
 
YOSH グリーンズは、今は日本語だけなのですが、
2009年頃まで英語版を運営していたんです。
相当「PingMag」を意識していましたが(笑)
 
トムさん それは嬉しいな。
 
YOSH ただ当時はまだ日本語サイトの運営も
ままならない状況だったので、
一度閉じてしまったんですね。

ようやく日本語版も安定してきた去年の春頃に、
仲間のひとりから「復活しないの?」と声をかけてもらって、
手探りで「greenz global」を始めることにしたんです。

今年に入って、コウタくんとアンディくんという
コアメンバーのおかげでやっと具体的に動き始めたのですが、
ちょうどそのとき「PingMag」復活!という話を聞き、
いろいろお話を伺えないかなと思ったんです。
 
トムさん もともと「PingMag」は2005年創刊なんですが、
2008年の「リーマンショック」のときに、
休刊せざるを得ない状況になってしまって。
本当に辛い時期でしたね。

自分ではどうすることもできなかったので、
「もう、忘れよう」と思っていたんだけど、
過去記事はずっと残っていて多くの人に見られていたようだし、
いろいろな人に会うたびに、
「またやらないの?」って言われ続けて。
いつかやりたいなという思いはあったんです。

それに、そのあいだいろんな、
メディアが立ち上がったけど、
「PingMag」に近いものは、
ほとんどなかったのも大きいですね。
 
YOSH そう言われてみるとそうですね。
ちなみに「PingMag」っぽさって、何だと思いますか?
 
トムさん 「PingMag」の編集方針はシンプルで、
僕らが「これは面白い!」と思ったものを、
勝手に記事にするだけなんです。

日本には普通に興味を惹かれるものが山ほどある。
大事なのは愛のこもった
オリジナルコンテンツをつくることです。
「カルチャー雑誌でこんな特集をやっている」とか
そんなことは、余り気にしてない(笑)
 
YOSH 何だかズシンと響きます。
 
トムさん そもそも、僕らは広告を売って稼ぐみたいな
媒体屋さんじゃないから、
作り方が分からないということもあるけどね。
 
YOSH その結果、オリジナルになっていったんですね。
僕は本当に「PingMag」に影響を受けていて、
写真がすごく美しいし、いい意味でギークだし、
僕らにとっての日常風景を
「こんな感じで料理するんだ!」って、
いつも驚かされています。

ほどよい外国人目線というか、
そこにリスペクトもあるのがすごい。
 
トムさん ギークではあるけど、
いわゆるオタクネタではないんだよね。

例えば、テーブルに転がっている
パンのカゴとかに注目したり、
目に見えている景色の中にも記事のネタが
たくさん潜んでいるんですよ。
 


2005年創刊の伝説のウェブマガジン「PingMag」が復活!

YOSH そのネタを文章で書くときに
こだわっていることはありますか?
 
トムさん うーん、特にないかも?(笑)
「気難しいことは辞めよう」というのはあるけどね。
なんというか伝わればいい!
 
YOSH ストレートですね(笑)
 
トムさん ライターが興奮していれば、
それだけでいい記事になると思うんですよ、基本は。

ライターも読者と同じくらい
ワクワクしていることが大事です。
 
YOSH 「PingMag」は、
どんな読者に届いていると思いますか?
 
トムさん 70%は海外からです。
日本に興味がある人というよりも、
クリエイティブ系の人間が多いかな。

野菜の無人販売の記事とかが人気なんだけど、
「日本ってすごい!」という反応よりも、
「自分の街でも確かに同じようなものがあるな」って、
読者の日常の目線をちょっと変える
きっかけになるような記事が、
よく読まれている気がします。
 
YOSH グリーンズでも世界の事例を紹介するときに、
「これを日本でも応用してみては?」って
投げかけたりするんですが、
なかには「日本では無理じゃないの?」って
反応もあったりします。

でもコメントしてくれるだけ、
気になったということなんですね。
 
トムさん どうしてそう思うのかが大事だよね。
「PingMag」をやっていて感じるのは、
「それぞれの常識が違う」ということ。

読者が持っている常識と、僕らの持っている常識では、
重なるところと、重ならないところがある。
読者目線でいること、つまり重なるところが
すごく大切ですが、そこが全部重なってしまうと、
面白くない。ズレがすごく重要。
 


人気記事のひとつ「店員のいないお店

YOSH 「greenz global」の話を聞いて、
トムさんはどう思いましたか?
 
トムさん グリーンズが紹介している日本国内の事例は、
海外にはほとんど知られていないので、
価値があるとは思いますね。

でも、敢えて”日本発”という言葉は
それほど強調しなくて良いと思う。
 
YOSH というと?
 
トムさん もちろん「PingMag」も日本にあるメディアだし、
ほとんど日本のネタです。
でも、from Japanとは言ってない。

面白いことを取り上げているメディアであって、
毎回毎回「JAPAN〜〜」にしてしまうと、
面白くなくなるんです。
 
YOSH 確かに、日本に興味のある人しか
読まなくなってしまったら、
もったいないですもんね。
 
トムさん そうそう。
内容を何でも屋さんにしちゃダメで、
グリーンズが面白いと思っている軸は、
globalであってもブレちゃいけないと思います。

英語が読める日本人でも違和感なく
楽しんで読める記事であることが、すごく大事。
 
YOSH ちょうど今の進め方は、単純な翻訳ではなく、
オリジナルの記事をつくる気持ちで
お願いしているので、より心がけたいですね。

ただネックなのは、僕があまり
英語が得意ではないことなんです。
つまり、"いい記事"のジャッジが
できないんですよね。
 
トムさん そこは、やっぱりネイティヴがいないと
ダメなんじゃないかな。

しかも、文章が得意なだけじゃなくて、
グリーンズの伝えたいことを理解している人。
いわゆるネイティブチェックだけじゃない。
 
YOSH それって、プロ中のプロですよね。
どうやったら出会えるんでしょう。。。
 
トムさん 仲間を探す上で大事にしないといけないのは、
「何を目指しているのか?」を明確にすることだよね。
「global」の場合、そこがまだ
はっきりしていないんじゃないかな?

どんなコミュニティなのかは、
文体や文章の構成でも伝わりますからね。
 
YOSH ネイティブのメンバーが足りないのも課題だけど、
何を目指すのかを明確にすることからですね。
 
トムさん 僕が期待するのは、
将来東アジアのソーシャルデザインを
つなげるメディアになってほしいな。

東アジアの国々のソーシャルデザインの動き、
ホントに面白いんですよ。

アジアの考え方は
ヨーロッパやアメリカの人々にとって
大きなヒントになると思う。
 
YOSH なるほど!
アジアの起業家ネットワークとか
つくれると面白そうですね。
 
トムさん アジアに向けて、「みんなでやろうよ」って
メッセージを発信すると、
すごく惹きつける力が生まれると思う。

他のアジアの国からファンを増やして、
そのファンのなかから
「greenz global」を運営するチームが
できていくかもね。
 
YOSH それはワクワクしますね。
トムさんと話をしていると、
考え方がどんどんグローバルになる気がします。

時間はかかるかもしれませんが、
一歩一歩進めていきたいと思います。
今日は、ありがとうございました!
 




LIST

紫牟田伸子さんが選ぶ
「エッ!」「あっ!」「ハッ!」となる3つの映像

with Nobuko Shimuta



紫牟田伸子さん

こんにちは。プロジェクトエディターという肩書きで、地域や企業のものづくりとコミュニケーションのことを考えている紫牟田伸子です。

人が”気づく”ってどういうことなんだろう、といつも考えているのですが、「エッ!」と驚いたり、「あっ!」とわかったり、「ハッ!」としたりすることがきっかけになって、そこから理解が深まるんですよね。

わかったつもりになっていることや、そもそも気づいてもいないことが、私たちの周りにはたくさんあります。人のことを思いやっているつもりでも、自分のこととして考えることはとてもむずかしい。

だからこそ「エッ!」とか「あっ!」とか「ハッ!」とさせる瞬間って、とても大事だなと思います。 そこで今回はたくさんの記事の中から、そんな映像を選んでみました。

sampl
混乱しているのは劇場?私の記憶?
劇場を騒然とさせたアルツハイマーの映画広告

種明かしの瞬間にハッとさせる
なんだなんだと困惑が深まる映画館。どうなっているんだと混乱していく、そうこれこそアルツハイマーになった人の認識の混乱。それが、種明かしされた瞬間に「ハッ!」となる。


自閉症の視点でカフェ体験するインタラクティブ・ムービー「Carly’s Cafe」

直感的な疑似体験
自分の身体や表現をコントロールできない、視点もコントロールできない、動作もコントロールできない自閉症の人の感覚を、直感的に疑似体験できる。「あ、こういうことなのか…」と思う。


こんな死に方はイヤだ!
人身事故を減らした、メトロのポップなキャンペーンソング「Dumb Ways to Die」

ブラックだけどセンスよく
電車での人身事故をなくすためにつくられたという、メルボルンのメトロの“マヌケな死に方”キャンペーン。かわいい歌につられて口づさんでしまうけれど、……かなりブラック。けれども、このセンスの良いキャンペーンで、人身事故は21%も減ったのだそうだ。




COMMUNITY

わたしたち電力プロジェクトマネージャー塚越暁さんに聞く
「グリーンズ的プロジェクトの進め方」

with Akira Tsukakoshi / interview by Eri


グリーンズでは今年、「エネルギーを自分たちの手に取り戻そう!」
というムーブメント「わたしたち電力(通称、わた電)」をスタートしました。

エネルギーを自分でつくって暮らしている人たちを記事として紹介するほか、
ソーラー発電システムをDIYでつくってみる体験ワークショップなどを全国で展開しています。

そのプロジェクトマネージャーを務める塚越暁さんに、
グリーンズが展開するプロジェクトの進め方についてお話を伺いました。(えり)



「わた電」プロジェクトマネージャー塚越暁さん

えり 「わた電」の企画は始まったばかりですが、
ワークショップも記事も好評ですね。
 
塚越さん 嬉しいですね。
ワークショップは、はじめはそんな人が来るのかな、
と思っていましたが、いつも満員で。

興味のある人が予想をはるかに超えていて、
ニーズの高さに驚きました。
 
えり もともとエネルギーに興味はあったんですか?
 
塚越さん 実は興味がわいたのは最近になってからなんです。
やっぱりワークショップに参加すると、
自分も組み立てたいなと思うようになりますね。
 
えり 今回、塚越さんはわたしたち電力の
プロジェクトマネージャーとして関わっていますが、
具体的にはどんな役割なんですか?
 
塚越さん 進行スケジュールを管理したり、
一緒に進めている外部の方と調整したり、
プロジェクトが円滑に進むサポートをしています。
 
えり ちょうど会社を辞めて、
独立するタイミングだったんですよね。
 
塚越さん そうなんです。
フクヘンの小野さんに「手伝ってくれない?」と
声をかけてもらって。

前職では経営企画の仕事をしていたので、
業務としては今までやってきたこととほぼ同じで、
気持ちよく役割を発揮させてもらっている
実感はありますね。
 
えり タイミングと仕事内容がぴったり合ったと。
それはご縁ですね。
 
塚越さん 本当に。グリーンズは小さい組織だからこそ、
僕がこれまで大きな組織で培ってきた経験が
活かせそうだと肌で感じています。

逆に、グリーンズは“思い”で仕事をしているんだな、
というのが印象的でした。
こういう働き方は見たことがなかったし、
新しい仕事の進め方だと思います。
 
えり 塚越さんはgreen schoolも卒業生でも
あるんですよね。
 
塚越さん はい、小野さんが講師をしていた、
マイプロジェクトのつくりかたを学ぶ
「マイプロ学科」を受けていて、
今取り組んでいる「子どもはらっぱ大学」は
このスクールから生まれました。
 
えり 「子どもはらっぱ大学」のことを
もう少し教えていただけますか?
 
塚越さん 子どもたちと身近な自然で、
大人も一緒に遊ぶイベントを開いています。

仕事以外に何かしたい、と思って
スクールに参加してみたのですが、
自分の根っこを掘り下げていったときに、
子どもと遊ぶことが好きだと気づいたんです。

僕は逗子で生まれ育って、
海や山で遊ぶことが問答無用に
楽しかったという話をしたら、
小野さんに「それこそマイプロの原石だ」と言われて、
会社を辞めなくてもできることから
やってみよう、と始めました。
 
えり それが、退職して、
今は本業になったんですね。
 
塚越さん 結果的に、そうなりましたね。

東京から家族連れで逗子まで来てもらうとなると、
交通費とか、いろんなお金が動くじゃないですか。

会社の看板ではなく個人がやっていることに、
そうやって何か価値を感じてくれて
お金が流れるということに感動しました。

そのうちマイプロを中心にしていきたいと
思うようになって、会社を辞めちゃいました。
まぁなんとかなるだろう!と思って(笑)
 
えり 不安はなかったんですか?
 
塚越さん 一年後、二年後に
自分がどうなっているか分からないけど、
それが「怖い」ではなく「楽しい」と思えることは、
すごく気持ちいいです。

自分がいいと思ったご縁を大事にして、
あとは流れに任せてみようと思っています。
 
えり 流れようとしたら、
「わた電」に出会ったんですね。

これからグリーンズで
やってみたいことってありますか?
 
塚越さん ムーブメントをしかけたり、
価値をつくったりしていきたいです。
提案して、形にする。
その種を仕込んでいきたいですね。
 
えり 攻めのグリーンズですね。
では最後に、塚越さんにとってのグリーンズとは?
 
塚越さん おこがましいかもしれないけど、
「おうち」かな。

スクールで気付かせてもらって動き出したし、
会社を辞めて最初に仕事をもらったし、
いろんな関わり方をしていくけど
帰って来られる“実家”みたいな存在です。
 
えり 出発点でもあり、帰る場所でもある、
ということですね。
これからも、よろしくお願いします!
 




Q&A

編集長YOSHに質問です。
「個人として新しく挑戦したいことは?」

with Motomi Miyahara


メルマガの〆は、greenz people と一緒につくるフリートークの質問コーナーです。
ご質問・ご意見などは people@greenz.jp までお気軽にお寄せ下さい!



今回は、会員の宮原元美さんが質問します

Q. 今年度中に、個人として新しく挑戦したいことはありますか?

色々な情報や思考に触れる機会が多いYOSHさんが、次にやってみたいと思っていることは何かな?と思いまして。仕事とプライベートの区別があまり無いかとは思いますが(笑)あえて個人寄りのところを伺ってみたいです。(宮原)

▼ ▼ ▼


編集長のYOSHが答えます

A. 「パジャマ研究家」はじめました

ご質問ありがとうございます。"今年度"というと来年の3月までですね。残すところ、ちょうどあと半年。ちょうど最近はじめてみたのが「パジャマ(男性用)研究家」です。リトルトーキョーでのもうひとつの肩書きとして名乗ってみました。

問題意識としては、スウェット上下みたいに男性向けのルームウェアにそんなバリエーションがない(あんまりおしゃれじゃないというか残念な)ような気がしていて、いつか将来的に男性向けルームブランドでも展開できないかなあ、なんて本当にざっくり思っています。

他にも、小説を書くこと、ギターを弾くこと、修験道で修行すること…挑戦したいことはたくさんありますが、最近は「いつやるべきなのか」を一緒に考えるようになりました。

結婚をし、子どもが生まれ、「個人として」がイコール「家族として」になる。ひとりで我がままにできていたことが、できなくなる。それを不自由と考えるのではなく、「時機じゃない」と思うこと。思考回路が切り替わるまでに、とことん自分を見つめなおした今年度前半だったように感じています。

正直に言えば、秋分の日あたりまでは、これからのことを前向きに考える余裕さえありませんでした。いつも目の前のことに追われっぱなしで、些細なことでぶつかることも多々。嫌いな自分がどんどんあふれてきて、もう、どん底でした。

光が見え始めたのは、家族のおかげで久々にひとりで何もしない時間をとれたことと、思い立ったように座禅とヨガを再び始めたこと。そうやってほつとできた心の余白に、最近は嬉しい便りが舞い込んでくるようになってきました。こういう感じ、本当に久しぶりなんです。

だから今は、具体的に「これに挑戦!」と考えすぎるよりかは、流れに身を任せて、時機を待ってみようと思っています。ちょうど今日は新月、みなさんにもいい予感がありますように。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回の発行日は<11月3日(日)>の予定です。



メールマガジン編集長:YOSH(グリーンズ編集長)
編集:木村絵里(グリーンズ編集部)、宮本裕人(編集インターン)
発行:NPO法人グリーンズ
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配信停止については people@greenz.jp まで