Lifehacking Newsletter 2016 #04

はじめに


こんにちは、Lifehacking.jp / ライフ×メモの堀(@mehori)です。

今週は私にとっても、多くの知り合いにとっても悲しいできごとがありました。名古屋ライフハック研究会の一員で、ムードメーカーだった靏羽康夫さん、ハンドルネーム @nijinochichi さんが、不慮の事故で亡くなられたのでした。

少しだけ nijinochichi さんの思い出を語ると、彼は実質的に、Lifehacking.jp の最初の読者のうちの一人でした。名古屋で私が初めてイベントを開催したときにもおられ、それ以来、人生の先輩として、飲み友達として、かけがえのない人物でした。

今回情報をまとめていて、nijinochichiさんに頼まれて名古屋のカフェで私の専門である地球温暖化の話題を一般向けにまとめたときのスライドや、そのイベントにむけたやり取りがでてきていました。上の子供が生まれるとお知らせした際のお返事が彼らしくて、本当に涙が止まりません。


私は虹の父ですが、堀さんも「一児の父」になるわけですね!ほんとにめでたい!

いまでは私も、二児の父ですよ。

私が名古屋から横浜に移動してしまってからはなかなかちゃんと訪問する機会も少なくなり、最後にちゃんと会えたのがしばらく前というのが心残りでしかたありません。

ああ、おっちゃん。nijinochichi のおっちゃん。いつも懇親会の席を盛り上げてくれてありがとうございました。私はそういうのが苦手なので、どんなに助かったことか。

いつもライフハックの話をたくさんしているのに、どこかでそれは楽しく幸せに生きるためのネタでしかなくて、一番大切なことはこうして楽しくビールを飲めることだと、背中をばーんと叩いてくれるあの感じが大好きでしたよ。

本当にありがとう。またね。

トピック1:Lifehacking.jp 特選記事(2)


Lifehacking.jpの過去記事からの振り返り連載。2回目は前回の「一流の研究者」シリーズの後編です。

もう公表してもよいと思うのですが、私の師匠であるこの先生の名前は真鍋淑郎、NOAA/GFDLでコンピューターを用いた気候モデルの開発と利用で先駆的な研究を数多く行い、現在はプリンストン大学名誉教授ある人物です。一般的にわかりやすい業績だと、地球の大気の簡単なモデルを通して二酸化炭素濃度の変化が放射と対流の平衡状態を経て地表面では温暖化を、成層圏では寒冷化を起こすという、つまりは「地球温暖化のメカニズム」を解明した人物です。

歴史に残る偉大な足跡を残してきた研究者であるのですが、私は先生のことを「天才」と表現するのには抵抗があります。それは本人がこういってるからでもあります。

私は他の秀才の人よりも考える能力が弱かったです。でもしつこかったんですな。いつまでも一つのことを考えてばかりいると、頭のいい人がすぐに理解してしまったことでも、実はそれほど単純ではないのだということが、人より10倍も時間がかかってわかってきたりするのです

一流の研究者の抜け駆け功名


先生のことを「一流の」と書くのは、名前を出さずに先生がどんな人であるかを表現するのに使った苦しまぎれの表現で、先生自身は自分のことを一流、二流ではとらえてはいないのです。

頭がいい、わるい、は先生にとって大きな問題でした。問題をどこまで深く考えることができるかは死活問題だからです。しかしその限界はこちらの記事でもわかるように、努力や、協力によって乗り越えられるものでもありました。

複雑な計算ができる人は簡単なことをしようとはしません。だからもっと複雑なことで思い悩むんです。でも自然は無限に複雑ですから、どこまで頭がよくてもそれに追いつくことはありません。しかも時として、答えはもっとも単純な形で転がっていることもあるのです。『頭がいい』ということは、全ての答えを簡単に手に入れられるというのとは違うのです」

一流の研究者の「長所は短所で、短所は長所」


また、先生のように膨大な経験と知識をもってしても、自然現象は簡単に見通せるものではなく、最初のあては必ずと言っていいほど外れ、こつこつと本質を直視する努力を怠らず続けることでしか見えてこないというのも、先生から学んだことでした。

『多分、こういうことだろう…』と思って、最初から思い込みでデータを見るでしょう? すると、その当てはたいてい外れてしまうのです! ä½•ãŒé‡è¦ã‹ã¯ã€æ‰‹ã‚’つける前にはわからないことの方が多いのです。テーマを切り分けてささっとやっておしまいというわけにはいきませんよ!

一流の研究者と「80:20の法則」の落とし穴


この「一流の研究者」シリーズを振り返って読んでいただく時に念頭においていただきたいのは、「こうすれば一流になれる」「こうすれば他人に差がつけられる」といったノウハウの仮面を被ったものはどれも実際にはうまくいかないことが多いという点です。

先生ほどの人をしても、たゆまず頭をとりかかっている仕事でいっぱいにして、こつこつと本質だけに立ち返るように思考を何度も吟味して、そうして砂を積み上げるようにして業績を築いてこられたというのは頭がさがるとともに勇気を与えられます。

それならば、手はあるからです。小さな習慣を積み上げることならば、いくらでも方法はあるからです。


 

トピック2:GoPro+Periscopeと、次の一歩


アクションカメラGoProと、Twitterの生配信サービスPeriscopeが連携して、これまではスマートフォン上からでしか配信ができなかったのをGoPro Hero 4 Black と Hero 4 Silverでも可能にするというニュースが届いています。

Periscope integrates with GoPro to bring live streaming to action cameras |  Verge

このニュース、もちろん技術的にはすごいことでわくわくとするのですが、メディアの未来を考えるとさらに大きな意味を含んでいます。

GoProはただの動画カメラではありません。GoProの要はどちらかというとカメラそのものよりもカメラを包み込む周辺機器にあります。ヘルメットであれ、船の側面であれ、F1車両の上であれ、最新の映画でみられるように宇宙服の一部としてであれ、GoProは安定して設置が可能で、これまで一人称の視点で見ることができなかった映像を届けてくれます。

Periscopeも一人称のメディアです。それはTwitterと連動することで「いま」「ここ」の状況そのものを配信してくれます。GoProとPeriscopeが交わるのは宿命のようなものだったのです。

GoProから撮影された動画をそのままPeriscope上で配信できるということは、エキストリームスポーツの行われている現場へと視聴者を誘うことができます。あるいはドローン・レースのような、どこか遠くから眺めるのではなくてドローンそのものの視点で見たほうがずっと面白いコンテンツにも応用ができます。

GoProで可能だということは、工夫次第ではRicoh Thetaや、Oculus Rift VRでも可能だということです。つまりカメラがおかれている場所の360度の場面全体をヴァーチャル・リアリティとして体験できるのです。

いままではサッカーや野球を観覧席から第三者の視点で遠目にみるのがスポーツでした。しかし今後GoProやThetaが小型化して、選手自身に付けられるようになったら?すると、視聴者もっと没入感のあるこうした一人称で体験できるスポーツに夢中になることでしょう。いま盛んになりつつあり、春頃から動画が一気に増えるであろうドローン・レースもその一つです。

Drone Racing League

エンターテイメントも、体験型へと変わります。たとえば先週にニュースがでていた実験的な映画 Perspective2 は、警官による射殺事件のまっただなかに私たちを起きます。


New VR Film Perspective 2: The Misdemeanor Drops You in the Middle of a Police Shooting | Wired

警官の視点、撃たれる側の視点、傍観者の視点を選択でき、いかに急速に事態が進行するかを目の当たりにするのは、これまでの映画の恐怖や緊張を煽る手法を旧いものとしてしまうことでしょう。

一方で、そうした犯罪や暴力や現実ではないもう一つの世界に、実際に法をおかさず、責任のとりようもない形で身をおくことの倫理的意味も問われることになるはずです。

いま確実に、Periscope、および Facebook はVRヘッドセットをいかにして自らのサービスに取り入れるか開発中のはずです。そこに、人と人の対話、メディア消費の未来があるからです。ここで、Googleの立ち遅れは特筆すべきものがあります。かれらはようやくVRチームを結成したところのようにみえるからです。


The head of Google's Cardboard team is now in charge of all of its VR projects | Android Central

2016年は、こうして GoPro や Theta、Oculus VR といった機器がどのようにSNS、クラウド技術と結びついてメディアとなってゆくかに注目です。そこにテレビ、ネット、ソーシャルメディア、そして社会の次の一歩が隠されているはずです。
 

まとめ

今週は新潟に研究会で出張し、水曜日はおっっちゃんの通夜に参列し、金曜日はONEDARI BOYSイベントと、めまぐるしい一週間でした。

この ONEDARI BOYS イベントでは久しぶりに自信のもてるスライドを作ることができましたので、いずれニュースレター限定で公開して、イベントのようすをお伝えしたいと思います。

また来週まで、Happy Lifehacking!


 

今週のLifehacking.jp


今週のライフ×メモ

今週のライフハックLiveshow

ライフハックLiveshow #170「IoT」
今週は用事がありますので、Liveshow はお休みです。前回の視聴はこちらから!
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